「職場のランチタイムの雑談が苦手すぎる」「何を話していいか分からず、ずっと黙っている」「相手がなぜ笑っているのか、なぜ怒っているのか、よく分からない」——ASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ方が、職場の対人コミュニケーションで感じる困難は、本当に多様です。
ASDと雑談——何が難しいのか
ASDの特性として、「暗黙のルールが分かりにくい」「相手の感情・意図を読み取ることが難しい」「一度に多くの情報を処理しながら会話することが苦手」などがあります。これらが組み合わさると、「雑談」という、ルールがなく・話題が次々変わり・感情的なやりとりが多い会話は、非常に高難度の課題になります。
「雑談が苦手」をどう対処するか
無理に雑談が得意になる必要はありません。現実的な対処法として次のようなものがあります。「型」を用意する:天気・週末の話・仕事の進み具合など、返答のパターンを事前に考えておく。聞き役に徹する:自分から話すより、相手の話を聞いて「そうなんですね」「大変でしたね」と返す方が楽な場合がある。雑談を最小化できる環境を選ぶ:集中作業系の職場・在宅ワーク・個人作業の割合が多い職種を選ぶ。
「雑談できない人」ではなく「雑談が不得意な人」
「雑談ができない」は「コミュニケーションが全くできない」ではありません。多くのASDの方が、目的が明確な会話(報告・連絡・相談)は普通にできます。「雑談という特定のコミュニケーション形式が苦手」なのであり、これは個性の一つとして職場に伝えることで、理解が得やすくなる場合があります。
「雑談が苦手と上司に伝えたら、『業務連絡はちゃんとできれば大丈夫』と言ってくれた。それだけで、ランチの時間のプレッシャーがかなり減った」
20代・男性(ASD)
雑談が苦手なことは、仕事そのものとは別の話です。苦手を認識した上で、働きやすい環境を選ぶことができます。
よくある質問
Q. 職場の雑談が苦手です。何か対処法はありますか?
型を用意する・聞き役に徹する・雑談が少ない職場を選ぶ、という方法があります。
Q. ASDで職場の人間関係が苦手です
ASDの特性と職場環境のマッチングについて、一緒に整理しましょう。
Q. 雑談ができないと、職場でうまくやっていけませんか?
雑談より、業務コミュニケーションが取れれば職場では多くの場合問題ありません。