「言われたことをすぐ忘れてしまう」「複数のことを同時に覚えていられない」「メモを取っていてもどこに書いたか分からなくなる」——ADHDのあるに多い「ワーキングメモリの弱さ」は、仕事での大きな困難になることがあります。この記事では、ワーキングメモリの特性と実践的な補完方法を整理します。
ワーキングメモリとは何か
ワーキングメモリとは、「作業記憶」とも呼ばれ、情報を一時的に保持しながら処理する脳の機能です。ADHDのある方はこのワーキングメモリの容量が小さかったり、維持する時間が短かったりする傾向があります。「指示を聞いた直後に忘れる」「メモをとっていても飛んでしまう」「複数の手順を同時に追えない」といった困難はこの特性によるものです。
※ワーキングメモリの特性は個人によって異なります。本記事は医療アドバイスではありません(2026年時点の情報に基づきます)。
職場で使えるワーキングメモリ補完の工夫
- 口頭指示はその場で書く・録音する——「メモしますね」と一言添えると自然
- 当日のタスクを紙・付箋・アプリに書き出す——頭に入れようとしない
- 業務手順をチェックリスト化する——毎回同じフローを辿れる
- 重要な締め切り・予定はスマホのカレンダー+アラームで管理する
- 報告・連絡をメール・チャットに変えてもらう——口頭より記録が残る
「口頭で言われたことをすぐ忘れてしまい、何度も叱られた。音声入力でメモを取るようにしたら、怒られる回数が激減した。ツールを使うことを恥だと思わなくなってからが、本当のスタートだった。」
30代・男性(ADHD・就労継続中)
「記憶する」より「記録する」発想への転換が、ADHDのある方の仕事を大きく変えます。
よくある質問
Q. ワーキングメモリが弱いのに仕事できますか?
できます。外部化・記録・ツールの活用でカバーしている方が多くいます。
Q. メモをとっても後で見返せません
メモの取り方・保管場所を一元化することが大切です。デジタルツール(スマホ・アプリ)の活用も有効です。
Q. 上司に何度も同じことを聞いてしまいます
「メモしてからまとめて質問する」習慣にすると、聞く回数を減らせることがあります。
Q. ワーキングメモリは訓練で改善できますか?
一定の訓練効果はあるとされていますが、外部化・環境整備の方が即効性があると言われています。
Q. 職場にWM補完のための配慮を求めることはできますか?
「指示をメールで送ってほしい」等、具体的な配慮をお願いすることは合理的配慮として認められる場合があります。