2026年7月、法定雇用率が2.7%へ引き上げられ、対象となる企業規模も拡大される予定です。「うちは関係ない」と思っていた企業が、新たに対象になるケースも出てきます。人事・労務のご担当者の中には、何から手をつければいいのか分からず不安を感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、制度変更の概要と、採用以外も含めた準備の方向性を整理します(2026年6月時点の情報です。詳細は厚生労働省・都道府県労働局の最新発表をご確認ください)。
何が変わるのか——対象規模の拡大と納付金リスク
法定雇用率の引き上げにより、これまで対象外だった規模の企業も新たに義務の対象になる可能性があります。雇用率が不足している企業には、不足人数に応じた障害者雇用納付金が課される仕組みがあり、引き上げ後はこの基準も変わります。まずは自社の現在の雇用率と、引き上げ後に必要な人数を正確に把握することが最初のステップです。
「うちはまだ大丈夫」と先延ばしにしてしまうと、対応が後手に回りやすくなります。早い段階で現状を確認し、社内で準備を始めることが、結果的に負担を小さくします。
具体的な雇用率・対象規模・納付金額等の最新の数値は、厚生労働省および都道府県労働局の発表が一次情報になります。2026年6月時点の情報をもとにしていますので、施行前に必ず最新情報をご確認ください。
採用だけに頼らない、3つの準備の方向性
「採用を増やす」ことだけが対応策ではありません。準備の方向性は大きく3つに分けて考えると整理しやすくなります。
① 業務の切り出し
既存の業務の中から、障害のある方が担いやすい業務を切り出して整理することで、新たな雇用の受け皿を作れる場合があります。現場の業務フローを見直すきっかけとしても有効です。
② 既存社員への合理的配慮の見直し
すでに在籍している社員の中に、配慮があればより活躍できる方がいる場合もあります。新規採用だけでなく、既存の体制を見直すことも準備の一つです。
③ 助成金・専門家の活用
採用や定着支援に活用できる助成金制度が複数あります。社内だけで判断せず、専門家や支援機関に相談しながら、自社に合った活用方法を検討することをお勧めします。
「正直、最初は『また義務が増えるのか』という気持ちが大きかった。でも業務を整理する中で、これまで属人化していた仕事を見直すいいきっかけになった。準備を後回しにしないでよかったと思う。」
人事担当者・40代(製造業)
一人で抱え込まず、早めに相談する
制度変更への対応を、人事担当者一人で完結させようとすると負担が大きくなります。社内の他部署との連携はもちろん、ハローワークの専門窓口や民間の就労支援事業者など、外部の相談先を早めに活用することをお勧めします。
- 自社の現在の雇用率と、引き上げ後に必要な人数を確認する
- 採用以外の選択肢(業務切り出し・既存社員の配慮見直し)も検討する
- 利用できる助成金制度を確認する
- 社内だけで判断せず、専門家・支援機関に早めに相談する
準備は早いほど選択肢が広がります。「まだ先のこと」と思わず、現状把握から始めてみてください。
よくある質問
Q. 法定雇用率が引き上げられると、すぐに納付金が発生しますか?
雇用率が不足している期間に応じて納付金が発生する仕組みです。引き上げ後の不足分についても対象になるため、早めに現状の雇用率を確認しておくことをお勧めします。
Q. 採用以外にできる対策はありますか?
業務の切り出しや既存社員への合理的配慮の見直し、助成金の活用など、採用以外にも準備できることがあります。専門家に相談しながら自社に合った形を検討することをお勧めします。
Q. 今までは対象外だった企業規模も対象になりますか?
雇用率の引き上げに伴い、対象となる企業の従業員規模も拡大される予定です。自社が新たに対象になるかどうかは、2026年6月時点の最新の制度情報を確認することをお勧めします。
Q. 相談はどこにすればいいですか?
ハローワークの専門窓口や障害者雇用に関する相談援助事業、民間の就労支援事業者などが相談先になります。mimemimeでも企業側の準備について一緒に整理できます。