メンタル・自律神経 / 起立性調節障害(OD)

「甘えてるわけじゃない」大人の起立性調節障害と、午前中だけ動けなくなる体との付き合い方

おのざる(mimemime)2026年7月読了目安:10〜13分
メンタルヘルスの大切さを伝えるイメージ

目次

  1. 起立性調節障害は「子どもの病気」じゃない
  2. 「怠けてる」と誤解されやすい理由
  3. 自分でできる工夫と、職場に相談できること
  4. 受診の目安と、手帳・制度の考え方
目覚ましは鳴ってる。頭でも「起きなきゃ」ってわかってる。でも体が言うことを聞かない。起き上がった瞬間に血の気が引いて、しばらく動けなくなる。午前中はずっと頭に霧がかかったみたいで、会議の内容も半分くらいしか入ってこない。なのに午後になると、嘘みたいにいつも通り動ける。「それ、ただの夜更かしでしょ」「社会人なんだから」と言われるたび、うまく説明できない自分にも腹が立つ。子どもの頃からの体質だと思っていたその不調、大人になっても続いている人が実は少なくないようです。この記事では、起立性調節障害と仕事の関係を、当事者の声をもとに整理してみました(2026年7月時点の情報です)。
AM 7:00 起きたいのに、体がついてこない朝
頭ではわかっていても、起き上がると血の気が引いて動けなくなる感覚がある

起立性調節障害は「子どもの病気」じゃない

起立性調節障害(OD)は、自律神経のバランスが崩れることで、立ち上がったときや朝の時間帯に血圧や心拍がうまく調整できなくなる状態とされています。中学生や高校生の不登校の背景としてよく知られていますが、大人になっても症状が続く人や、成人してからあらためて症状が目立つようになる人もいると言われています。

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回復に向け情報を調べる人のイメージ
回復に向け情報を調べる人のイメージ

特徴的なのが「日内変動」と呼ばれるパターンです。朝から午前中にかけて症状が強く出て、午後から夕方にかけて少しずつ体が動くようになる、という波があるとされています。だからこそ「午後は普通に元気そうなのに、朝だけ様子がおかしい」というギャップが、周囲との誤解を生みやすいのだと思います。

「高校の頃からずっと朝がダメだったんですけど、"大人になったら治る"ってよく言われてて。実際は治らないまま就職して、1年目から始業に間に合わないことが続きました。会議で名指しで"社会人としての自覚が足りない"って言われたのは、正直今も忘れられないです。」

20代・女性(事務職)
「気合が足りない」で片づけられがちなんですが、これは根性の問題じゃなくて、自律神経が血圧をうまく調整できていない体の状態なんです。夜更かしを直せば解決、というものでもないんですよね。
ミミ

受診のきっかけがめまいや失神だったという人も多く、はじめて病院にかかったときに「これは子どもの病気だと思っていた」と驚くケースも報告されています。年齢を重ねてから気づく人も一定数いるということ自体、まだあまり知られていないのかもしれません。

「怠けてる」と誤解されやすい理由

起立性調節障害のつらさは、見た目にわかりにくいという点に尽きます。骨折やギプスのように誰が見てもわかる不調ではないので、「本当に体調が悪いの?」と疑われやすい。しかも症状のピークが午前中で、午後には持ち直すことが多いため、「サボっているように見える時間帯と、実際につらい時間帯がずれてしまう」というのが、この不調特有のややこしさだと感じます。

体調の波(一例) 7時 起き上がれない 9時 頭に霧がかかる 12時 少しずつ持ち直す 15時 わりと普通に動ける 18時 一番元気
朝がいちばんつらく、午後にかけて回復していく「日内変動」があるとされる(症状の出方には個人差があります)

「めまいで倒れそうになって初めて病院行ったのが32歳の時です。子どもの病気だと思ってたから、まさか自分がって感じで。始業を1時間ずらしてもらう交渉に3ヶ月かかりました。人事に"前例がないので"って何度も言われて、正直心が折れかけましたね。今はなんとか通ってますけど。」

30代・男性(IT企業勤務)
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「午後は元気そうだから、やっぱり仮病では」という見方は、症状の日内変動という特徴そのものへの誤解から生まれることがあります。決めつける前に、本人の体感を聞いてみることが第一歩になるかもしれません。

遅刻が続く、始業からしばらくパフォーマンスが上がらない。それが評価に直結してしまうと、本人は「頑張っているのに認めてもらえない」という孤立感を抱えやすくなります。周囲の理解が得られないまま我慢を重ねた結果、二次的に気分の落ち込みが強くなってしまうケースもあるようです。

自分でできる工夫と、職場に相談できること

起立性調節障害は「治療すれば一瞬で治る」というものではなく、日々の工夫と体調管理を積み重ねていくタイプの不調とされています。ここでは、よく紹介される工夫と、職場に相談できることを分けて整理してみます。

生活のなかでできる工夫(一例)

上記はあくまで一般的に紹介されている工夫の例です。症状の強さや原因は人によって異なるため、必ず主治医の指示を優先してください(2026年7月時点の情報です)。

職場に相談できることの例

診断書があると、人事との話がスムーズに進みやすいという声はよく聞きます。ただ「前例がないから」で止まってしまう職場も正直まだ多いので、産業医や支援機関を間に挟むという選択肢も覚えておいてほしいです。
ミミ
「朝が弱い」ことは、意志の問題でも性格の問題でもありません。体の状態を伝え、必要な調整を相談すること自体が、働き続けるための現実的な手段です。

受診の目安と、手帳・制度の考え方

「これって病院に行くほどのことなのか」と迷う人も多いようです。目安のひとつとして、朝起きられない状態が長期間続いている、立ち上がるとめまいや動悸が強く出る、といった症状が生活や仕事に支障をきたしている場合は、一度医療機関に相談してみる価値があるとされています。

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まずはかかりつけ医や内科に相談し、必要に応じて循環器内科や心療内科などを紹介してもらう流れが一般的とされています。専門外来の有無は地域によって異なるため、事前に確認しておくと安心です(2026年7月時点の情報)。

障害者手帳の対象になるかどうかは、症状の程度や他の診断名の有無によって大きく変わるとされ、一律には言えません。起立性調節障害単体で手帳の対象になるケースは限定的とされていますが、体調の波によって仕事の継続が難しい場合は、主治医や自治体の窓口、就労支援機関に相談しながら、自分に合った働き方の選択肢を一緒に整理していくことをお勧めします。

よくある質問

Q. 大人でも起立性調節障害になりますか?
思春期に多いとされていますが、大人になっても症状が続いたり、成人後にあらためて症状が目立つようになるケースも報告されています。ただし診断には専門的な検査が必要で、自己判断で決めつけないことが大切です。
Q. 職場にどう説明すればいいですか?
病名そのものより「午前中に体調が不安定になりやすい」「始業時間をずらせると助かる」といった、具体的な状況と対応策をセットで伝える方法が助けになることがあるとされています。診断書があると話が進みやすいケースもあります。
Q. 何科を受診すればいいですか?
まずはかかりつけ医や内科に相談し、必要に応じて循環器内科や心療内科などを紹介してもらう流れが一般的とされています(2026年7月時点)。専門外来の有無は地域によって異なります。
大人のOD × 仕事:この記事のポイント 1 大人になっても続くことがある 子どもの病気だと思われがちだが 成人後に気づくケースもある 2 朝と午後で体調の波が違う 午前は不調、午後は回復する 「日内変動」が誤解を生みやすい 3 「怠け」ではなく体の状態 意志や根性の問題ではなく 自律神経の調整の問題とされる 4 状況ベースで職場に伝える 病名より「何が起きて」「何が 助かるか」を具体的に伝える
この4点を押さえておくと、自分の体との付き合い方が少し整理しやすくなるかもしれません

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おのざる / mimemime代表
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