障がい種別 / 内部障害・慢性疾患(メニエール病)

「酔ってるんじゃ」と思われそうで怖い。メニエール病と仕事、前触れなく襲うめまいとの付き合い方

おのざる(mimemime)2026年8月読了目安:12〜14分
メニエール病と仕事をテーマにしたアイキャッチ画像。オフィスの机で耳のあたりに手を添え、不安げな表情をする女性のイラスト

目次

  1. 「え、大丈夫?」の前に来る、耳の詰まり感というサイン
  2. 会議中にめまいが来たら、その場でできること
  3. 「酔ってるんじゃ」という誤解と、伝えづらさとの付き合い方
  4. 使える制度と、一人で抱えないための相談先
メニエール病の回転性めまいは、多くの場合ほとんど前触れなくやってきます。自分や周りの景色がぐるぐる回っているような感覚に襲われ、立っていることすら難しくなることもあるとされています。厄介なのは、その様子が周りからは「ふらついている」「様子がおかしい」としか見えないことです。何も知らない人からすれば、それは体調不良というより、単に酔っているように映ってしまうこともあります。この記事では、メニエール病のある方が仕事の中で抱えやすい「めまいへの怯え」と「誤解されるつらさ」、その場でできる対処、職場への伝え方を当事者の声をもとに整理しました(2026年8月時点の情報です)。

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manaby 就労移行支援 障がい者雇用
会議室でこめかみに指を添え、めまいの前触れを感じながら目を閉じている女性のイラスト
会議の途中、耳の奥がふさがるような感覚がして、指先が冷たくなっていく

「え、大丈夫?」の前に来る、耳の詰まり感というサイン

メニエール病は内耳の中のリンパ液が増えすぎることで起こるとされ、回転性のめまいに加えて、耳鳴りや難聴、耳の詰まり感を伴うことが多い病気です。多くの場合、発作の前に何らかのサインが出ると言われています。ミミ

就労支援の現場で関わってきた中で、メニエール病のある方から聞くのは「発作そのものより、いつ来るか分からない怖さがつらい」という言葉です。回転性めまいは数十分から数時間続くこともあるとされ、来てしまえばその場に留まって耐えるしかない場面が多いようです。だからこそ、多くの方が「耳の詰まり感」や「圧迫感」といった前兆に敏感になり、常にどこかで自分の耳の状態を気にしながら仕事をしているといいます。

前兆に気づけたとしても、会議の最中や電話対応の途中では、すぐに動くわけにもいきません。「今ここで発作が来たらどうしよう」という不安を抱えたまま、平静を装って仕事を続ける時間そのものが、大きな消耗につながっているようです。

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メニエール病の症状の現れ方や前兆の感じ方には個人差があります。この記事で挙げる内容がそのまま当てはまるとは限らないため、体調に不安がある場合は自己判断せず主治医に相談することをお勧めします。

「正直言うと、最初の半年くらいは自分の体に何が起きてるのか分からなくて、ただただ怖かったです。会議中に急に耳が詰まった感じがして、あ、来る、と思った瞬間にはもう景色がぐるぐる回ってて、机に突っ伏すみたいな体勢になってました。周りは何も知らないから最初はぽかんとしてて、後から『具合悪いなら早く言ってよ、酔っ払いみたいだったよ』って言われて、笑いながら言われたんですけど、地味に傷つきました。」

40代・女性(メニエール病・事務職)
相談の一コマ
相談者のアイコン
相談者
めまいが起きるたびに、周りから変な目で見られてる気がして、それが一番つらいんです。病気だって分かってもらえない感じがして。
ミミのアイコン
ミミ
回転性めまいは、外から見ると「ふらついている」としか分からない症状なんです。周りが悪気なく誤解してしまうのは、ある意味当然のことだと思います。
相談者のアイコン
相談者
当然、なんですね。私がちゃんと説明できてないだけだと思ってました。
ミミのアイコン
ミミ
全部を説明する必要はありません。「めまいの持病があって、時々ふらつくことがある」という一言だけでも先に伝えておくと、いざという時の見え方がだいぶ変わりますよ。次の章で、その場での対処も一緒に見ていきましょう。

会議中にめまいが来たら、その場でできること

回転性めまいの発作が来てしまったとき、無理に立ち上がったり歩いて移動しようとすると、かえって転倒などの危険が増すことがあるとされています。まずは今いる場所で安全を確保することを優先し、可能であれば早めに一言断って席を外す、という順番で考えると動きやすいようです。

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めまいの感じ方や発作の強さには個人差があります。ここで紹介する対処法がそのまま当てはまるとは限らないため、実際の対応は主治医の指示を優先してください。
前兆を感じた瞬間、次に何をするか 耳の圧迫感・詰まり感に気づく すぐ静かな場所に 動けるか? 動ける 静かな場所に座り、目を閉じる 楽な姿勢のまま数分待つ 多くの場合はここで落ち着く 動けない(会議中など) 机や椅子にそっと手を添える 視線を一点に固定して凌ぐ 落ち着いたら席を外して休む ※対処の一例です。症状の程度や状況により対応は異なります
「動けるか、動けないか」で対処の道筋を分けて考えると、いざという時に迷いにくい

会議中など、その場を離れにくい状況では、視線を一点に固定することが少し楽になる場合があるようです。目を動かすと回転している感覚が強まりやすいため、資料の一点やテーブルの木目など、動かないものをじっと見つめておく、という工夫をしている方もいます。

「めちゃくちゃ意味不明な行動してたと思うんですけど、電車の中で耳が詰まる感じがしてきた瞬間、とにかく次の駅で降りることしか考えられなくなって、降りたホームでしばらくうずくまってました。それが月に2回くらいのペースで半年近く続いて、遅刻の理由をどう説明すればいいのか本当に悩みました。『寝坊しました』の方がまだ楽なんじゃないかって、一瞬本気で考えたこともあります。」

20代・男性(メニエール病・営業職)

「酔ってるんじゃ」という誤解と、伝えづらさとの付き合い方

回転性めまいの発作中、体は必死にバランスを取ろうとしているため、傍目にはふらついているようにしか見えません。何も知らない人がそれを見れば、お酒でも飲んだのだろうかと受け取ってしまうことがあっても、無理のないことだと思います。ただ、本人からすれば、体調不良を誤解されるつらさに加えて、疑われているような気まずさまで抱えることになり、二重にしんどい状況です。

全部ではなく、必要な場面だけ伝えるという考え方

診断名や病気の仕組みまで詳しく説明する必要はありません。業務に関わる場面に絞って、あらかじめ簡潔に伝えておく方法が、本人にとっても職場にとっても負担が少ないとされています。

「酔っているように見える」という誤解は、事前に一言伝えておくだけでかなり防げることがあります。伝えるタイミングは、発作が起きてからより、落ち着いているときの方が話しやすいという声もよく聞きます。ミミ

誰にどこまで伝えるかは、本人が選んでよいことです。まずは信頼できる上司や、近くの席の同僚一人にだけ共有しておき、必要に応じて少しずつ広げていく、という進め方をとっている方もいるようです。

使える制度と、一人で抱えないための相談先

身体障害者手帳という選択肢

メニエール病の症状として難聴や耳鳴りが続く場合、聴覚障害や平衡機能障害として身体障害者手帳の対象になることがあるとされています。対象になるかどうかや等級は症状の程度によって異なるため、詳しくは主治医や自治体の障害福祉窓口に確認するのが確実です(2026年8月時点の情報です)。手帳を取得すると、障害者雇用枠での就職や、企業側の合理的配慮を前提にした働き方を選びやすくなる場合があります。

相談できる窓口

メニエール病の症状の現れ方や、必要な配慮の内容には個人差があります。この記事の内容がそのまま当てはまるとは限らないため、実際の判断は主治医・支援者・自治体の窓口とよく相談しながら進めることをお勧めします(2026年8月時点の情報です)。
「酔っているように見える」という誤解は、本人のせいではありません。それでも、先に一言伝えておくことは、自分を守るための小さな備えになります。

よくある質問

Q. メニエール病でも障害者手帳は取れますか?
メニエール病の症状として難聴やめまいが続く場合、聴覚障害や平衡機能障害として身体障害者手帳の対象になることがあるとされています。等級や対象になるかどうかは症状の程度によって異なるため、詳しくは主治医や自治体の障害福祉窓口にご確認ください(2026年8月時点の情報です)。
Q. 会議中にめまいの前兆を感じたら、その場でどうすればいいですか?
無理に立ち上がったり歩いたりせず、机や椅子に手を添えて視線を一点に固定すると、その場をやり過ごしやすくなる場合があります。可能であれば早めに一言断って席を外し、静かな場所で座って休むことが助けになるとされています。
Q. 「酔っているのでは」と誤解されるのがつらいときは?
回転性めまいの症状は外から見ると分かりにくく、ふらつく様子だけが伝わってしまうことがあります。すべてを説明しようとせず、「めまいの持病があり、時々ふらつくことがある」という一言だけでも先に伝えておくと、誤解を防ぎやすくなる場合があります。
Q. メニエール病で仕事を休む期間の目安はありますか?
症状の重さや経過には個人差がありますが、一般的にはめまい発作が続く時期がしばらく続いたあと、落ち着いていく経過をたどることが多いとされています。休職を検討する場合は、診断書をもとに主治医や職場と相談しながら期間の目安を決めていく形になります。
Q. 塩分やストレス管理以外に、仕事との両立でできる工夫はありますか?
睡眠時間を整えることや、疲労がたまりやすいタイミングを自分なりに把握しておくことも助けになるとされています。あわせて、発作が起きたときの対応手順をあらかじめ職場と共有しておくと、いざというときに慌てずに済む場合があります。
メニエール病と付き合う:この記事のポイント 前兆のサインを知っておく 耳の圧迫感や詰まり感に 気づけると発作を軽くできることも その場でできる対処がある 動けるか動けないかで、 凌ぎ方の道筋を分けて考える 伝え方は場面を絞ってよい 全部の説明でなく、必要な 場面だけ先に共有すれば十分 頼れる制度と相談先がある 産業医や自治体窓口、 支援機関に一人で抱えず相談を
この4点を頭に置いておくだけで、少し気持ちが軽くなるかもしれません

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おのざる
mimemime代表。就労支援の現場経験をもとに、障がいのある方の働く不安に寄り添う記事を執筆。