Lesson 1

家族が就労に与える影響

就労支援というと「本人の問題」として捉えられがちですが、実際には家族の状況が就労に大きな影響を与えます。このコースでは、家族・夫婦という視点から就労支援を考えます。

なぜ「家族」の視点が必要なのか

就労に課題を抱える方の多くは、家庭の事情と密接に絡み合っています。たとえば、

  • 配偶者が精神的に不安定で、外出すること自体が難しい
  • 親の介護が必要で、フルタイムでは働けない
  • 子どもの特性(発達障害等)に手がかかり、自分のことに手が回らない
  • 経済的なプレッシャーから、家族全体がストレス状態にある

家族は「障壁」にもなるし「支え」にもなります。家族全体のコンテキストを理解することが、就労支援を成功させる鍵です。

家族状況別の就労課題

パターンA:配偶者が精神疾患

本人が元気でも、パートナーのケアに追われ「私が働くより家にいるべきでは」という葛藤が生まれやすい。精神的な疲弊も蓄積しやすい。

パターンB:子育てと障害の重なり

本人に障害があり、かつ子育て中の場合。周囲のサポートが薄いと、就労どころではなくなる。

パターンC:経済的プレッシャー

家計が苦しく、「早く稼がなければ」という焦りが焦りを呼ぶ悪循環。焦りは判断力を低下させ、就労の失敗につながりやすい。

支援者として意識すること

mimemimeでは、利用者本人だけでなく、可能な範囲で家族の状況もヒアリングします。「家族も一緒に変わっていく」という視点を大切にしています。

Lesson 2

夫婦間の「就労の躓き」

「夫が突然仕事を辞めた」「妻がうつで家に引きこもっている」。夫婦の一方が就労に躓くと、もう一方も大きな影響を受けます。

「躓き」が起きやすいシーン

  • 突然の退職・解雇:ショックと経済的不安が同時に押し寄せる
  • メンタル不調からの休職:いつ復職できるかわからない不安
  • 転職の失敗が続く:自己肯定感が下がり、次の一歩が踏み出せない
  • 障害が発覚・診断:今後の働き方を一から考え直す必要が生まれる
よくある落とし穴:「早く働いてよ」というプレッシャーは逆効果です。焦りや責め立ては回復を遅らせ、夫婦関係そのものを傷つけます。

パートナーとしての関わり方

やってほしいこと

  • 「ゆっくりでいいよ」と言葉にして伝える
  • 家事・育児の分担を見直す(片方に集中しない)
  • 一緒に情報を探す(支援機関の相談に同行する)
  • 本人の「したいこと」「できること」に耳を傾ける

避けてほしいこと

  • 「なんで動けないの?」と責める
  • 「あの人はできているのに」と比較する
  • 支援機関への相談を「大げさ」と否定する
  • 本人の意思を無視して就職先を決める

mimemimeが提供するサポート

必要に応じて、パートナーを交えた面談を実施します。「夫婦でどう乗り越えるか」を一緒に考える場を設けることができます。

振り返り

※入力内容は保存されません。自分のための振り返りとして活用してください。

Lesson 3

ダブルケアラーとは

「ダブルケアラー」という言葉を聞いたことがありますか?育児と介護を同時に担う状態のことを指します。近年、社会問題として注目されています。

ダブルケアラーの定義

子育て(育児)と親などの介護を同時に行う人のこと。晩婚化・高齢出産の増加により、40代で小さな子どもを育てながら親の介護も担うケースが増加しています。

どのくらいいる?

  • 内閣府の調査では、ダブルケアラーは全国に約25万人と推計(2016年時点)
  • 女性が約6割を占める
  • 40代が最も多く、就労盛りの年代と重なる
  • 実際には隠れダブルケアラーも多く、実数はさらに多いとみられる

ダブルケアラーの就労困難

時間的制約

子どもの送迎・介護の通院付き添い・食事準備など、時間を自由に使えない。フルタイムはもちろん、パートタイムも難しいケースがある。

精神的疲弊

「育てること」と「看取ること」に同時に向き合う心理的負荷は非常に大きい。バーンアウト(燃え尽き症候群)のリスクが高い。

孤立化

「こんなこと誰にも言えない」「私だけが苦しい」と感じて孤立するケースが多い。支援を求めることへのハードルも高い。

活用できる制度

  • 介護休業・介護休暇:家族の介護のために仕事を休む権利(最大93日)
  • 育児・介護休業法:短時間勤務制度も活用可能
  • 地域包括支援センター:介護相談の窓口。無料で利用可能
  • ファミリーサポートセンター:育児の助け合いネットワーク
  • 就労移行支援:ダブルケアラー本人の就労支援として活用できる
Lesson 4

介護と仕事を両立する

日本では年間約10万人が「介護離職」。介護を理由に仕事を辞めることを余儀なくされています。しかし、辞めることが必ずしも最善とは限りません。

介護離職のリスク

  • 収入が途絶え、介護にかかる費用を捻出できなくなる
  • 社会とのつながりが切れ、孤立感・燃え尽きが加速する
  • 介護が終わった後、再就職が難しくなる(空白期間・スキルの低下)
  • 介護する本人の健康も損なわれやすい

「辞めるか、続けるか」の二択ではありません。「どうすれば続けられるか」を考えることが重要です。

両立のための実践策

① 職場への相談・制度活用

  • 上司や人事に早めに相談する(抱え込まない)
  • 介護休業・短時間勤務・テレワークを申請する
  • 「突発的な休み」への理解を得ておく

② 介護サービスを積極的に使う

  • デイサービス・ショートステイ・訪問介護を組み合わせる
  • 「自分でやらなければ」という思い込みを手放す
  • ケアマネジャーと連携してプランを立てる

③ 家族で分担する

  • 兄弟姉妹・配偶者など、家族全体で介護を分担する話し合いをする
  • 「誰が何をするか」を決めておく(暗黙の期待は摩擦を生む)

mimemimeでの対応

mimemimeでは、介護を抱えながら就労を目指す方のために、時間的に柔軟なプログラムを用意しています。週1日から始めることも可能ですので、まずはご相談ください。

確認クイズ

介護離職について、正しい説明はどれ?

Lesson 5(最終)

家族で取り組む就労計画

最後のレッスンでは、家族全体で就労に向けた計画を立てるための考え方を学びます。一人で抱え込まず、チームとして取り組むことが大切です。

家族就労計画の5ステップ

  1. 現状の「見える化」:誰が何を担っているか、家計の状況はどうか、誰がどんな課題を抱えているかを書き出す
  2. 「できること」「したいこと」の整理:本人の希望と、現実的にできることをすり合わせる
  3. 短期目標の設定:「3ヶ月後にどうなっていたいか」という小さな目標を家族で共有する
  4. 役割分担の決定:家族の誰が何をサポートするか決め、一人に負担が集中しないようにする
  5. 定期的な見直し:月に一度、状況を確認し合う場を設ける。うまくいっていないことは正直に話す

「家族会議」のすすめ

月に一度、30分でも家族で話し合う場を作りましょう。「誰かが困っているサイン」を見逃さないための、大切な習慣です。

🌱 mimemimeとの連携

家族同席の相談会

ご希望の方には、ご家族も一緒に参加できる相談会を実施しています。支援者を交えることで、家族だけでは見えていなかった視点が見えてきます。

定期的な進捗共有

利用者の同意を得た上で、ご家族に定期的な状況報告を行うことができます。「本人から聞きにくいこと」も、支援者を通じて共有できます。

コース修了 振り返り

※入力内容は保存されません。

コース4 修了おめでとうございます!

家族・夫婦の視点から就労支援を学び終えました。一人で悩まず、家族と、そして支援者と一緒に進んでいきましょう。

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