発達障害 / 特性を活かす

ASDの「こだわり」を強みにする。特性を武器にした働き方

おのざる(mimemime)2026年6月読了目安:15〜20分
毛布にくるまるまめざるが、パズルのピースを一つひとつ丁寧に並べているイラストと共に「こだわりが強すぎる」と言われてきたという見出しを示したアイキャッチ画像。左上には「発達障害/ASDの特性」のオレンジ色のカテゴリータグが添えられている

目次

  1. ASDの「こだわり」の実態
  2. 「こだわり」が活かされやすい仕事・環境の特徴
  3. 「こだわり」が摩擦を起こすとき、対処の工夫
  4. 「こだわり」を言語化する、就職活動での伝え方
「こだわりが強すぎる」「もっと臨機応変にできないの」と、これまで何度も言われてきた方もいるかもしれません。決まった手順を守りたい、細部まで気になって仕方ない。それは怠けでも意固地なわけでもなく、ASDの特性からくる自然な反応だとされています。この記事では、そのこだわりが職場でどんなふうに強みになりうるのか、逆に摩擦を起こしやすい場面ではどう対処すればいいのかを、当事者の声も交えながら整理しました。

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ASDの「こだわり」の実態

ASDのある方の「こだわり」は、特定の手順・ルール・方法に強くこだわる、細部への注意が非常に高い、興味のある分野に深く集中できる、変化や例外に対応するのが難しいことがある、という形で現れることが多いです。職場では、この特性が「融通が利かない」「効率が悪い」と見られることがある一方、「仕事が丁寧」「ミスが少ない」「特定領域の専門性が高い」という強みとしても機能します。

mimemimeのマスコットキャラクター「まめざる」のアイコン
「こだわり」は、わがままや性格の弱さではなく、自分のやり方やペースを保ちたいという特性から来る反応だとされています。急な変更にすぐ対応できないときも、本人の努力不足ではないことが多いです。まめざる
発達障害と仕事に向き合う人のイメージ
発達障害と仕事に向き合う人のイメージ

重要なのは、「こだわり」の特性そのものは変わらなくても、その特性が「活かされる環境かどうか」によって、評価が180度変わるという点です。

「こだわり」の特性、環境次第で評価が変わる 合わない環境 (臨機応変・マルチタスク要求) こだわり → 「融通が利かない」 細部注意 → 「効率が悪い」 深い集中 → 「周囲が見えない」 手順へのこだわり → 「臨機応変できない」 合う環境 (専門性・精度重視) こだわり → 「品質が高い・ミスが少ない」 細部注意 → 「細かいチェックができる」 深い集中 → 「専門領域で圧倒的な力」 手順へのこだわり → 「一定の品質を維持」
「こだわり」は場所・環境次第で「弱み」にも「圧倒的な強み」にもなる

「こだわり」が活かされやすい仕事・環境の特徴

ASDのある方の「こだわり」特性が強みとして機能しやすい職場・業務には、共通するパターンがあります(個人差があります)。

「こだわり」が摩擦を起こすとき、対処の工夫

「こだわり」が強すぎて、職場で摩擦を起こすことがあります。例えば、「決まった手順と違うことが起きると強い不安・怒りが生じる」「完璧主義から締め切りに間に合わない」などです。これらへの対処として、「例外・変化のケースをあらかじめ整理しておく(マニュアルの中に例外パターンを盛り込む)」「『80%で提出して後で修正』という基準を意識的に設定する」などが助けになることがあります。

「以前の職場では細かすぎると言われてた。今の職場は品質管理の仕事で、細かさが評価される。同じ自分なのに、こんなに働きやすさが変わるとは思わなかった。環境ってこんなに大事なんだなと痛感してる。」

30代・男性(ASD)

急な予定変更にとっさに対応できず、その場でパニックに近い状態になってしまう、という悩みもよく聞かれます。無理に抑え込もうとするより、「変更があり得ることを先に知っておく」だけで、気持ちの準備ができて動揺が小さくなることが多いようです。

相談の一コマ
相談者
急に会議の予定が変わったりすると、頭が真っ白になってパニックになってしまうんです。自分でもおかしいと思うんですけど、抑えられなくて。
まめざる
それは意志の弱さではなく、こだわりの特性から来る反応だとされています。無理に抑え込もうとするより、「変更があるかもしれない」と、あらかじめ伝えてもらえるよう周りにお願いしてみるのはどうでしょう。
相談者
急な変更をなくしてもらう、というより、先に知らせてもらうということですね。
まめざる
はい。すべての変化をなくすのは難しくても、「変更があり得ることを先に知っておく」だけで心の準備ができて、動揺が小さくなることは多いようです。

「こだわり」を言語化する、就職活動での伝え方

就職活動では、「こだわりが強い」という特性を、強みとして言語化することが重要です。「こだわりが強い→品質に妥協しない」「細部への注意→ミスを防ぐ→チームの信頼性を高める」という形で、職場へのメリットとして説明することができます。支援者と一緒に「自分の特性の強み版の言語化」を練習することをお勧めします。

「こだわりが強すぎる」から「圧倒的に仕事が丁寧」へ。一緒に強みを見つけましょう。

よくある質問

Q. ASDのこだわりは直した方がいいですか?
直すより、こだわりが活かされる環境を選ぶ方が、長期的に見て有効なことが多いです。
Q. こだわりが強すぎて職場でトラブルになっています
例外・変化への対処方法を事前に整理することが助けになります。支援者に相談しましょう。
Q. ASDの人が合いやすい職種はありますか?
品質管理・IT・専門職など精度・専門性が求められる業務が合いやすい傾向があります(個人差あり)。
Q. こだわりを面接でどう伝えればいいですか?
『品質に妥協しない』『一貫した作業品質を維持できる』などに言い換えて伝えることができます。
Q. 完璧主義で仕事が終わらないことがあります
『80%で提出して修正』という基準を意識的に持つことが助けになります。支援者と一緒に練習できます。

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就労支援員として障がいのある方の「働く」に伴走してきた経験をもとに、一人ひとりに向き合う支援を届けています。