障がい種別 / 神経・睡眠系疾患(むずむず脚症候群)

「貧乏ゆすり、やめて」と言われても脚が止まらない。むずむず脚症候群と仕事、会議中の衝動との付き合い方

おのざる(mimemime)2026年8月読了目安:12〜14分
毛布にくるまりマグカップを持つマスコットキャラクター「まめざる」のイラストと共に「貧乏ゆすりと言われても脚が止まらない」というタイトルを示したアイキャッチ画像。左上には「身体障害/神経系疾患」のオレンジ色のカテゴリータグが添えられている

目次

  1. 「貧乏ゆすり、やめて」と言われるたびに、いたたまれなくなる
  2. 夕方から夜にかけて強まる、デスクワークや通勤との相性の悪さ
  3. 職場にどう伝える、癖ではなく治療が必要な症状として
  4. 使える制度と、一人で抱えないための相談先
会議中や電車の中で、脚の奥がむずむずして、動かさずにはいられなくなる。そんな衝動を抱えながら働いている方は少なくありません。それでも「貧乏ゆすり、うるさいよ」「行儀が悪い」と指摘され、癖の問題として片付けられてしまうことがあります。この記事では、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の特徴と、仕事や通勤との付き合い方、職場への伝え方、使える制度を当事者の声をもとに整理しました(2026年8月時点の情報です)。

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会議室の丸テーブルで、片手を自分の膝の上にしっかりと押し当てながら、脚を動かしたい衝動をこらえている会社員の男性のイラスト。奥にはぼんやりとした同僚の姿が見える
机の下でそっと膝を押さえながら、平静を装う。その手の下で何が起きているかは、誰にも見えない

「貧乏ゆすり、やめて」と言われるたびに、いたたまれなくなる

mimemimeのマスコットキャラクター「まめざる」のアイコン
むずむず脚症候群は、主に脚の内部に感じる「むずむず」「ぴりぴり」といった不快な感覚と、それを和らげたくて脚を動かしたくなる強い衝動が特徴とされる症状です。安静にしているときや、夕方から夜にかけて症状が強まりやすいといわれています。まめざる

就労支援の現場で関わってきた中で、この症状を抱える方から繰り返し聞いてきた言葉があります。「じっと座っているのがつらくて、気づいたら脚を動かしていて、それを貧乏ゆすりだと思われるんです」というものです。むずむず脚症候群は外見からはまったく分からない症状であるぶん、周囲には「落ち着きのない人」「癖の悪い人」という印象だけが残ってしまいやすいという難しさがあります。

本人にとっては、我慢すればするほど不快感が強まっていくつらい時間でもあります。それでも会議室や電車の中では、大きな動きを見せるわけにもいかず、なるべく目立たないように、机の下でそっと足首を動かしたり、膝を押さえたりしながらやり過ごそうとする方が多いようです。結果として、「単に落ち着きがないだけ」という周囲の印象と、本人が必死にこらえている衝動との間に、大きなずれが生まれてしまいます。

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症状の感じ方や強まる時間帯、対処法の効果には個人差があります。この記事で挙げる内容がそのまま当てはまるとは限らないため、気になる症状がある場合は自己判断せず医療機関に相談することをお勧めします。

「営業職なので普段は外回りが多いんですけど、月1回の本社での定例会議だけは1時間ノンストップで座りっぱなしなんです。3年くらい前から、会議の後半になるとどうしても脚がむずむずしてきて、気づくと貧乏ゆすりみたいになっちゃうんですよね。ある日、部長に会議中『貧乏ゆすり、うるさいからやめてくれる?』って言われて、正直めちゃくちゃ恥ずかしかったです。癖じゃないんです、って喉まで出かかったんですけど、その場でうまく説明できなくて。結局その日は一言も言い返せずに、家に帰ってから一人でモヤモヤしてました。」

40代・男性(むずむず脚症候群・営業職)
相談の一コマ
相談者のアイコン
相談者
会議中にむずむずしてきて、脚を叩いたり動かしたりしちゃうんですけど、それを見た上司に「行儀悪いよ」って言われたことがあって。ちゃんと座ってなさいって言われても、これ我慢できるものじゃないんです。
まめざるのアイコン
まめざる
むずむず脚症候群の症状は、脚を動かすことで一時的に和らぐことがあるとされています。行儀の問題ではなく、体からのサインに対処しようとしている状態だと考えられますよ。
相談者のアイコン
相談者
そうなんですか…ずっと自分の意志が弱いだけだと思ってました。
まめざるのアイコン
まめざる
意志の問題ではないと考えられています。とはいえ周りには伝わりにくい症状なので、次の章で具体的にどう伝えるか一緒に見ていきましょう。

夕方から夜にかけて強まる、デスクワークや通勤との相性の悪さ

むずむず脚症候群の症状は、安静にしている時間が長いほど、また夕方から夜にかけて強まりやすいとされています。そのため、長時間のデスクワークや会議、電車での通勤、映画館や飛行機のように身動きが取りにくい場面は、症状が出やすい代表的なシーンといわれています。長く座っている生活そのものがリスク要因のひとつとして紹介されている記事も見られます。

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日中の強い眠気や集中力の低下は、むずむず脚症候群にともなう不眠が背景にあるといわれています。仕事のパフォーマンスに影響が出ていると感じる場合は、症状そのものだけでなく睡眠の質についても医療機関に相談してみることをお勧めします。
むずむず感を覚えたとき、3つの選択とその先 会議中にむずむず感を覚える 貧乏ゆすりに見える動きをしたくなる瞬間 脚を動かす じっと我慢する 静かに席を立つ 貧乏ゆすりだと 誤解されるかもしれない 集中力が 落ちてしまう 気まずさを 感じる ※どれを選んでも負担がある。だからこそ「事前に伝えておく」という4つ目の道が助けになることがあります
動いても、我慢しても、席を立っても、それぞれに違う負担がある

このように「動く」「我慢する」「離席する」のどれを選んでも、何らかの形で気を遣うことになるのがこの症状の厄介なところです。だからこそ、その場でとっさに対応するのではなく、あらかじめ周囲に状況を伝えておくことが、負担を減らす有効な方法のひとつになります。

「デスクワークなので基本ずっと座ってるんですけど、夕方4時を過ぎたあたりから脚の奥がむずむずしてきて、集中力がガタ落ちするんです。最初は自分がただの飽き性なんだと思ってたんですけど、半年くらい経ってもずっと同じパターンで。ネットで調べて内科を受診したら、血液検査で鉄が足りてないことが分かって、鉄剤を飲み始めたら3ヶ月くらいでだいぶ楽になりました。もっと早く病院行けばよかったって、正直ちょっと後悔してます。」

20代・女性(むずむず脚症候群・事務職)

職場にどう伝える、癖ではなく治療が必要な症状として

むずむず脚症候群は、見た目には分からず、症状名を聞いてもピンとこない人が多いというのが実情です。何も伝えないままでいると、「貧乏ゆすりが多い人」「落ち着きがない人」という印象だけが積み重なってしまうことがあります。とはいえ、症状の仕組みをすべて説明しようとすると、かえって伝わりにくくなることもあるようです。

具体的な場面に絞って伝えるという考え方

病名や医学的な仕組みまで詳しく説明する必要はないとされています。業務に関わる具体的な場面だけに絞って伝える方法が、双方にとって負担が少ないといわれています。

mimemimeのマスコットキャラクター「まめざる」の応援アイコン
「動かしたい」という感覚は、意志の弱さではなく体からの信号だと考えられています。すべてを説明しようとせず、業務に関わる範囲だけ先に共有しておくことで、気持ちの負担が軽くなることもあるようです。まめざる

信頼できる上司や人事担当者に、業務に関わる範囲でまず共有し、そこからチーム内に必要な情報だけ広げてもらう、という進め方をとっている方もいるようです。特に長時間の会議や研修が多い職場では、事前に伝えておくことで、席の配置や休憩のタイミングを配慮してもらいやすくなったという声も聞かれます。

使える制度と、一人で抱えないための相談先

何科に相談すればいいか

まずは内科や総合内科を受診し、鉄欠乏や腎機能の状態など、原因になりやすい要因を調べてもらう方法があるとされています。症状が続く場合は、神経内科や睡眠を専門とする医療機関を紹介してもらえることもあるようです。血液検査で鉄の状態(フェリチン値など)を確認したうえで、鉄剤の補充から治療を始めるケースもあるといわれています。

障害者手帳という選択肢

むずむず脚症候群単体で身体障害者手帳の対象になるという明確な基準は、現時点では一般的に紹介されていません。原因になっている疾患や、不眠が続くことによる二次的な心身の不調がある場合には、それぞれの状態に応じて手帳や制度の対象になり得るとされています。詳しくは主治医や自治体の障害福祉窓口に確認するのが確実です(2026年8月時点の情報です)。

相談できる窓口

症状の現れ方や強まる時間帯、治療の効果には個人差があります。この記事の内容がそのまま当てはまるとは限らないため、実際の判断は主治医・支援者・自治体の窓口とよく相談しながら進めることをお勧めします(2026年8月時点の情報です)。
貧乏ゆすりに見える動きは、癖ではなく体からのサインです。我慢するだけでなく、動かせる範囲を確保する工夫を、まず自分自身に許してあげてください。

よくある質問

Q. むずむず脚症候群は障害者手帳の対象になりますか?
むずむず脚症候群単体で身体障害者手帳の対象になるという明確な基準は、現時点では一般的に紹介されていません。原因になっている疾患や、不眠が続くことによる二次的な心身の不調がある場合には、それぞれの状態に応じて手帳や制度の対象になり得るとされています。気になる場合は自治体の障害福祉窓口や主治医に確認することをお勧めします(2026年8月時点の情報です)。
Q. 何科を受診すればいいですか?
まずは内科や総合内科を受診し、鉄欠乏や腎機能の状態など原因になりやすい要因を調べてもらう方法があるとされています。症状が続く場合は、神経内科や睡眠を専門とする医療機関を紹介してもらえることもあるようです。
Q. 貧乏ゆすりのように見える動きは、我慢したほうがいいですか?
無理に我慢し続けると、かえって集中力が落ちたりストレスが強まったりすることがあるとされています。むずむず脚症候群の症状は、脚を動かすことで一時的に和らぐ場合があるといわれているため、我慢よりも動かせる工夫を探すほうが楽になるケースもあるようです。
Q. 治療薬の副作用で眠気が出ることはありますか?
治療で使われる薬には、眠気やめまい、だるさなどの副作用が出ることがあるとされています。仕事に影響が出そうな場合は、服薬のタイミングや種類について自己判断で調整せず、主治医に相談しながら進めることをお勧めします。
Q. 鉄分不足が関係しているというのは本当ですか?
体内の鉄が不足すると症状が強まりやすいとされ、血液検査で鉄の状態(フェリチン値など)を確認したうえで鉄剤の補充を行う場合があるといわれています。自己判断でのサプリメント摂取は避け、まずは医療機関で検査を受けることをお勧めします。
この記事のポイント 4つの ポイント 症状は治療が必要、癖ではない 場面を絞って職場に伝える 医療機関に相談できる 頼れる制度がある
4つのポイントを少しずつ、自分のペースで確認していく

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おのざる
おのざる
mimemime代表。就労支援の現場経験をもとに、障がいのある方の働く不安に寄り添う記事を執筆。