発達障害 / 感覚の困難

感覚過敏で職場がつらい——ASDの感覚の問題と現実的な対処

おのざる(mimemime)2026年6月読了目安:15〜20分
気持ちを整理する人のイメージ、発達障害と向き合う

目次

  1. 感覚過敏とは——ASDと感覚処理の違い
  2. 感覚過敏の種類別・職場での困りごとと対処
  3. 合理的配慮として職場に求める方法
  4. 感覚の問題を一人で抱えないために
「オフィスの蛍光灯が眩しくて頭が痛くなる」「隣の人のキーボード音が気になって仕事に集中できない」「特定のにおいがあると気分が悪くなる」——ASDのある方に多く見られる感覚過敏の困難は、職場環境で特に問題になりやすいです。この記事では、感覚過敏の仕組みと職場での現実的な対処方法を整理します。

感覚過敏とは——ASDと感覚処理の違い

感覚過敏とは、通常の人が「気にならない」レベルの刺激(音・光・においなど)を、著しく強く・不快に感じる状態を指します。ASDのある方の一部では、感覚情報の処理の仕方が一般的な状態と異なることがあり、これが感覚過敏・感覚鈍麻(感じにくい)として現れることがあります。

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「気にしすぎ」「慣れれば大丈夫」という意見もありますが、感覚過敏は本人の努力でコントロールできる量に限界があることが多いです。環境の調整・配慮の活用が最も現実的なアプローチです。

職場でよくある感覚の困難 蛍光灯・明るすぎる光 キーボード音 話し声・BGM 香水・食べ物 においへの過敏 素材・制服の感触 集中できない…頭が痛い 気分が悪くなる…
複数の感覚刺激が同時に押し寄せる職場環境——「慣れ」より「環境調整」が有効なことが多い

感覚過敏の種類別・職場での困りごとと対処

聴覚過敏(音に敏感):周囲の話し声・キーボード音・エアコン音などが気になる。対処:ノイズキャンセリングイヤーフォン・耳栓の使用・席配置の変更(窓際・静かな場所)を配慮として依頼する。

視覚過敏(光に敏感):蛍光灯・PCの画面の明るさ・窓からの直射日光が辛い。対処:ブルーライトカットレンズの使用・PC画面の輝度調整・座席の変更・サングラスの着用許可を配慮として依頼する。

嗅覚過敏(においに敏感):香水・食べ物のにおい・清掃用品のにおいで気分が悪くなる。対処:席の配置変更・換気の確保・「強いにおいを控えてほしい」というお願いを周囲にできる場合は依頼する。

触覚過敏(感触に敏感):制服の素材・タグ・特定の服の感触が不快。対処:素材の変更許可・タグのない衣類の着用許可を配慮として依頼する。

合理的配慮として職場に求める方法

オープン就労の場合、感覚過敏への対処として合理的配慮を求めることができます(障害者雇用促進法に基づく合理的配慮の提供義務、2026年時点)。配慮を依頼する際は、「〇〇が困難なため、△△という配慮をお願いしたい」という形式で伝えると受け入れられやすくなります。

例:「聴覚過敏があり、周囲の音で集中が難しくなります。ノイズキャンセリングイヤーフォンの使用を許可していただけますか?」

※合理的配慮の内容・範囲は職場や状況によって異なります。具体的な内容は就労支援者や専門家と相談しながら調整することをお勧めします。

「感覚過敏のことを職場に言うのが怖かったけど、支援員さんと一緒に伝え方を考えて、『イヤーフォンを使わせてほしい』とお願いした。あっさり許可してもらえて拍子抜けした。言う前は大ごとに感じてたけど、言ってよかった。」

20代・女性(ASD・感覚過敏)

感覚の問題を一人で抱えないために

感覚過敏の困難は、「慣れれば大丈夫」「気のせい」と言われることが多く、本人が「自分だけがおかしい」と感じやすいです。しかし、感覚処理の違いは多くの方が持つ特性であり、対処法は存在します。一人で抱えず、支援者に「こういう感覚の困難がある」と話すことから始めることをお勧めします。

感覚の困難は「わがまま」ではありません。一緒に職場環境を整える方法を考えましょう。

よくある質問

Q. 感覚過敏はASDの人だけにありますか?
いいえ。ASD以外にも、様々な背景を持つ方に感覚過敏が見られます。
Q. 感覚過敏は治りますか?
感覚処理の特性は変化することもありますが、環境調整での対処が基本的なアプローチです。
Q. 感覚過敏で配慮をお願いするのは図々しいですか?
図々しくありません。適切な配慮を求めることで、仕事の質も向上します。
Q. ノイズキャンセリングイヤーフォンは職場で使えますか?
職場によりますが、合理的配慮として認められるケースが多いです。支援者と一緒に伝え方を考えましょう。
Q. 感覚過敏のある人が働きやすい職場環境とは?
静かな作業環境・強いにおいがない・照明を調整できるなどの条件が参考になります。

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おのざる(mimemime)
就労支援員として障がいのある方の「働く」に伴走してきた経験をもとに、一人ひとりに向き合う支援を届けています。