感覚過敏とは——ASDと感覚処理の違い
感覚過敏とは、通常の人が「気にならない」レベルの刺激(音・光・においなど)を、著しく強く・不快に感じる状態を指します。ASDのある方の一部では、感覚情報の処理の仕方が一般的な状態と異なることがあり、これが感覚過敏・感覚鈍麻(感じにくい)として現れることがあります。
「気にしすぎ」「慣れれば大丈夫」という意見もありますが、感覚過敏は本人の努力でコントロールできる量に限界があることが多いです。環境の調整・配慮の活用が最も現実的なアプローチです。
感覚過敏の種類別・職場での困りごとと対処
聴覚過敏(音に敏感):周囲の話し声・キーボード音・エアコン音などが気になる。対処:ノイズキャンセリングイヤーフォン・耳栓の使用・席配置の変更(窓際・静かな場所)を配慮として依頼する。
視覚過敏(光に敏感):蛍光灯・PCの画面の明るさ・窓からの直射日光が辛い。対処:ブルーライトカットレンズの使用・PC画面の輝度調整・座席の変更・サングラスの着用許可を配慮として依頼する。
嗅覚過敏(においに敏感):香水・食べ物のにおい・清掃用品のにおいで気分が悪くなる。対処:席の配置変更・換気の確保・「強いにおいを控えてほしい」というお願いを周囲にできる場合は依頼する。
触覚過敏(感触に敏感):制服の素材・タグ・特定の服の感触が不快。対処:素材の変更許可・タグのない衣類の着用許可を配慮として依頼する。
合理的配慮として職場に求める方法
オープン就労の場合、感覚過敏への対処として合理的配慮を求めることができます(障害者雇用促進法に基づく合理的配慮の提供義務、2026年時点)。配慮を依頼する際は、「〇〇が困難なため、△△という配慮をお願いしたい」という形式で伝えると受け入れられやすくなります。
例:「聴覚過敏があり、周囲の音で集中が難しくなります。ノイズキャンセリングイヤーフォンの使用を許可していただけますか?」
「感覚過敏のことを職場に言うのが怖かったけど、支援員さんと一緒に伝え方を考えて、『イヤーフォンを使わせてほしい』とお願いした。あっさり許可してもらえて拍子抜けした。言う前は大ごとに感じてたけど、言ってよかった。」
感覚の問題を一人で抱えないために
感覚過敏の困難は、「慣れれば大丈夫」「気のせい」と言われることが多く、本人が「自分だけがおかしい」と感じやすいです。しかし、感覚処理の違いは多くの方が持つ特性であり、対処法は存在します。一人で抱えず、支援者に「こういう感覚の困難がある」と話すことから始めることをお勧めします。
- 感覚過敏は努力でコントロールできる量に限界がある
- 環境調整・合理的配慮が最も効果的な対処
- 配慮依頼は「〇〇が困難なため△△をお願いしたい」という形式で
- 一人で抱えず支援者に相談する