「どうして自分は、普通にできないんだろう」。そんなふうに、夜になっても自分を責める言葉が止まらない日はありませんか。周りの人が当たり前にこなしていることが、自分にはどうしても難しい。その差を見つけるたびに、心がすり減っていくのだと思います。この記事では、「普通でいなければ」という苦しさがどこから来るのかを一緒にほどきながら、自己批判から少し距離を置く考え方を整理します。
「普通」という基準はどこから来るか
「普通」は、実は誰も会ったことがない人の姿なんです。まわりを見ると、がんばっているように見える人にも、見えない苦手や無理があります。比べて落ち込んでしまうのは、あなたの意志が弱いからではなく、そういう基準を長いあいだ浴び続けてきたからかもしれませんね。まめざる
「普通にできること」「普通の人」という基準は、誰が決めたものでしょうか。多くの場合、学校・社会・家族からのメッセージが積み重なって形成されています。「同じ年齢の人がしていること」「テレビやSNSに映っている生活」「親や先生が期待していること」。こうした外側の基準が「普通」の像を作り出しています。しかし実際には、「普通」は幻想であり、多様な人それぞれが異なるペース・方法で生きています。
「できないこと」に着目し続けることの消耗
「なぜできないのか」「普通の人はできるのに」と自分を責め続けることは、大きなエネルギーを消耗します。自己批判が続く状態は、うつ・不安を深める方向に働きやすいです。「できないこと」に着目するより、「何なら今できるか」「どんな環境なら機能するか」という視点に移すことが、現実的な行動へつながりやすくなります。
「自分を許す」は「あきらめる」ではない
「障がいのある自分を許せない」という方に多く見られるのは、「許す=あきらめる」という思い込みです。しかし、「今の自分を認める」ことは、「成長しない」「努力しない」とは別のことです。今の状態をありのままに認めることで、「今、自分にできることは何か」を考えるエネルギーが生まれます。自己批判にエネルギーを使いすぎると、現実の行動に使えるエネルギーが残りません。
相談の一コマ
相
相談者
許すって言われても、できないままの自分を認めたら、本当に何もしなくなりそうで怖いんです。
ま
まめざる
その怖さは、ちゃんと前に進みたい気持ちがあるからこそ出てくるものだと思います。「許す」は止まることではなくて、今の自分を正確に知ることなんです。最近、疲れ切った日はどんな場面が多かったですか?
相
相談者
電話対応と、急に予定が変わる日です。そのたびに「普通ならできるのに」って思ってしまいます。
ま
まめざる
それ、立派な手がかりです。「普通ができない」ではなく「電話と急な変更が負担」と言葉にできたら、減らす工夫や頼み方を一緒に考えられます。責めるより、具体的にしていく方が、ずっと動きやすいですよ。
「ずっと普通になろうとして疲れ果てた。支援員さんに『普通じゃなくていい』と言われたとき、泣いた。普通を目指すのをやめたら、かえって少し動けるようになった。」
30代・女性(ASD・うつ)
「普通」でなくても働けるという事実
「普通の働き方」ではなく、「自分の特性に合う働き方」を設計する。そう考えると、苦手なことは欠点ではなく、環境を整えるための情報になります。一人で考えるのがしんどいときは、支援員と一緒に整理してみてください。まめざる
- 障がいのある方が働いている職場・環境は存在する
- 「普通の仕事の仕方」でなくても貢献できる形がある
- 特性を活かした働き方を設計することができる
- 自分のペースで積み上げることが可能
普通になれなくても、あなたの暮らしと働き方は、あなたの形で作っていけます。
「普通でないこと」は、弱さでも失敗でもありません。あなたは今のあなたのまま、一緒に考えていけます。
よくある質問
Q. 普通になれない自分がいやです
その気持ちはとても多くの方が経験しています。支援者・カウンセラーに話してみることをお勧めします。
Q. 「自分を許す」の意味が分かりません
今の状態を認めることは、あきらめることではありません。現状を正確に把握することが次の行動の出発点です。
Q. 自己肯定感が低い場合はどうすればいいですか?
心理士・カウンセラーによるサポートが助けになることがあります。一人で解決しようとしないことが大切です。
Q. 障がいがあっても自分らしく働けますか?
「自分らしく」の形は人それぞれです。支援者と一緒に探していきましょう。
Q. 普通を目指すのをやめていいですか?
はい。「普通」を目指すより、「自分に合う形」を探すことが現実的な出発点になることが多いです。
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