制度・サービス / 合理的配慮

合理的配慮の頼み方。職場に「助けて」を伝えるための準備

おのざる(mimemime)2026年6月読了目安:15〜20分
毛布にくるまるまめざるのイラストと共に「合理的配慮の頼み方」という見出しを示したアイキャッチ画像。左上には「制度・サービス/合理的配慮」のカテゴリータグが添えられている

目次

  1. 合理的配慮とは。まず基本を押さえる
  2. 配慮をお願いするための基本フォーマット
  3. 断られたり、理解してもらえなかったときは
  4. 配慮を受けながら働くことへの罪悪感
「もう少し配慮してもらえれば仕事が続けられる気がする。でも、どうお願いすればいいか分からない」「断られたら気まずい」。そんなふうに、言い出す一歩の手前で立ち止まってしまう方は少なくありません。でも、適切な配慮を求めることは、あなたの権利であり、職場全体の成果にもつながるものです。この記事では、合理的配慮の基本と、職場への具体的な伝え方を、実際の伝え方の例とともに整理します。

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合理的配慮とは。まず基本を押さえる

合理的配慮とは、障がいのある方が、障がいのない方と平等に仕事・活動に参加できるよう、事業者が講じる調整・変更のことです。障害者差別解消法・障害者雇用促進法により、事業者には障がいのある労働者への合理的配慮を提供する義務があります(2026年時点)。「過度な負担」にならない範囲で提供することが原則です。

mimemimeのマスコットキャラクター「まめざる」のアイコン
合理的配慮は「言えば何でも希望が通る」というものではありません。会社にとって費用や体制上どうしても難しい場合は、負担の少ない範囲での対応になることもあります。ただ「前例がないから」というだけでは、断る正当な理由にはならないとされています。まずは希望を言葉にして伝えてみることが、対話の入り口になります。まめざる
制度・手続き書類のイメージ
制度・手続き書類のイメージ

重要なのは、「合理的配慮は申し出があって初めて動くもの」という点です。「黙っていれば察してもらえる」という期待は、多くの場合通じません。自分から「こういう配慮が必要です」と伝えることが、配慮を受けるための第一歩です。

※本記事は2026年時点の情報に基づきます。法律の詳細・適用範囲は変更される可能性があります。
合理的配慮のやり取りのイメージ 障がいのある 労働者 「報告を文字でも もらえますか?」 具体的に伝える 会社・ 上司 「了解しました。 メモで共有します」 対話で合意形成
「申し出る→対話する→合意する」が合理的配慮の基本プロセス

配慮をお願いするための基本フォーマット

職場への配慮依頼は、「〇〇(困っていること)があるため、△△(具体的なお願い)をしていただけますか?」という形式が分かりやすく、受け入れられやすいです。

例1:「聴覚過敏があり、周囲の音で集中が難しくなります。ノイズキャンセリングイヤーフォンの使用を許可していただけますか?」

例2:「口頭での指示を記憶しにくい特性があります。指示をメモやメールで残していただくことは可能でしょうか?」

例3:「気分の波が症状として現れることがあります。体調が悪い日に短時間での勤務に切り替えることができる仕組みがあると助かります。」

「お願い」ではなく「業務上の必要性」として伝えることで、受け入れられやすくなります。

断られたり、理解してもらえなかったときは

配慮依頼が通らない・理解してもらえないという場合、いくつかの対処があります。支援者(就労定着支援・相談支援専門員)を通じて職場に連絡してもらう、依頼の内容を文書で提出する、「どの程度の配慮なら可能か」を話し合う(代替案を提示する)、などです。支援者が間に入ることで、直接言いにくいことを伝えやすくなります。

「配慮をお願いするのが怖くて、1年間我慢してた。支援員さんに相談したら、一緒に伝え方を考えてくれて、文書も作ってくれた。上司に話したら意外とすんなり受け入れてもらえた。もっと早く言えばよかったと思う。」

30代・男性(ADHD)
相談の一コマ
相談者
在宅勤務を希望したんですが、「前例がないから」の一点張りで断られてしまって。もう配慮を求めるのは無理なのかもしれません。
まめざる
「前例がないから」というのは、実は合理的配慮を断る正当な理由としては認められにくいとされているんです。あきらめる前に、本当に難しい理由(費用や体制の問題など)なのかを確認してみる価値はありますよ。
相談者
そうなんですね。でも、そこまで強く言い返す自信はなくて。
まめざる
無理に言い返さなくても大丈夫です。「在宅が難しいなら、他にどんな方法なら可能でしょうか」と、代わりの案を一緒に考える聞き方にするのも一つの方法です。支援者に同席してもらい、間に入ってもらうこともできますよ。

会社側にも、費用や人員体制の都合でどうしても対応しきれない事情がある場合はあります。ただし、それが「本当に過重な負担なのか」「工夫すれば対応できる範囲なのか」は、一度の申し出だけで判断せず、対話を重ねながら確かめていくものです。断られた直後に諦めるのではなく、「では、どこまでなら可能ですか」と一歩踏み込んで聞き返すことが、次の話し合いにつながります。

配慮を受けながら働くことへの罪悪感

「配慮してもらうのは申し訳ない」「周囲に迷惑をかけている」という罪悪感を持つ方は多くいます。しかし、合理的配慮は「特別な優遇」ではなく、「平等に働くための調整」です。眼鏡が必要な人が眼鏡をかけることを「特別扱い」とは言わないのと同じように、配慮を受けることは権利の行使です。

「助けを求めること」は強さです。一緒に伝え方を考えましょう。

よくある質問

Q. 合理的配慮は法律で義務化されていますか?
はい。障害者雇用促進法により、事業者への提供義務があります(2026年時点)。
Q. クローズドで働いている場合、配慮は受けられますか?
開示していない場合、公式な合理的配慮は難しいですが、個別に相談できることはあります。
Q. 配慮をお願いして、嫌な目で見られませんか?
そのような職場は問題があります。ただ、多くの職場では適切に伝えれば受け入れてもらえます。
Q. どんな配慮が「合理的」の範囲ですか?
「過度な負担にならない範囲」が基準です。具体的には職場との対話で決めることになります。
Q. 支援者に間に入ってもらうことはできますか?
はい。就労定着支援・相談支援専門員が職場との連絡を担うことがあります。

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就労支援員として障がいのある方の「働く」に伴走してきた経験をもとに、一人ひとりに向き合う支援を届けています。